平成14(2002)年7月号

彦根でも不動産登記の

      コンピュータ化

        所 長  辻   英 彦

 
 来年1月に、大津地方法務局彦根支局の不動産登記簿がブックレス化され、
コンピュータ処理に移行されることとなりました。現在そのための移行作業が実施されております。

 登記簿がコンピュータ化されることにより、次のような影響が出ることとなります。
つまり、従来は紙の登記簿を閲覧することになっておりましたが、
これに代わって「登記事項要約書」が交付されることになります。
ただし、この「登記事項要約書」には、
登記内容のすべてが記載されることになっていませんので、
単独所有となっている複数の所有権移転の経過
(たとえば、共有で取得した片方の共有者が
その後に他の共有者の持分を取得したようなケースでは、
その最終の所有権取得の事項だけしか表示されない。)を知ることができないので、
多くの場合では現在の登記簿謄本と同じ意味の
「登記事項証明書」の交付を求めることになると考えられます。
このことによって、従来登記簿の閲覧をすることによって、登記内容の確認ができたものが、
登記事項証明書の交付を受けることによって若干のご負担増をおかけすることになります。

 ただし、登記処理が迅速になされるとも言われており、こちらには期待をしたいと思っております。
もちろん、導入当初には、職員の不慣れなどから処理が遅滞することもあるでしょうが、
このことのメリットに期待するものであります。

 さて、このことによって、コンピュータ化後には、
登記情報提供システムへの乗り入れが行われ、
私どもの事務所から直接登記簿情報を入手することができると考えております。
現在すでに多くのコンピュータ化庁がこのシステムに乗り入れており、
リアルタイムでの登記情報入手が可能となっております。

 以前に比して即日に不動産の取引がある、あるいは担保設定をする、
というケースが減少していますので、時間的な余裕はありますが、
IT化のメリットとデメリットを十分にかぎ分けて業務処理ができると考えております。

 時代の波に乗り遅れないようにしながら、
ご依頼いただく登記を迅速かつ適正に処理させていただきたいと考えておりますので、
なお一層のお引き立てをよろしくお願い申し上げます。