登記簿の仕組み(不動産登記編)

まず最初に不動産の登記簿について説明いたします。

不動産の登記簿には、土地と建物、そしてマンションなどの区分建物の登記簿があります。

不動産の登記簿は、表題部・甲区・乙区の3つの部分で成り立っています。

しかし、表題部を除いて、甲区・乙区の登記が全くない場合には、
これらの部分はなく、表題部だけという登記簿もあります。

表題部は、土地にあっては、
@所在、
A地番、
B地目、
C地積、
D登記原因及びその日付、
E登記の年月日、
F所有者の住所氏名の7つの事項から成り立っています。

@所在は、その土地の地番区域を表しています。
 例えば「彦根市芹川町字布浦」などと記載されています。
 通常、住所として表示される場合には字名は省略されますが、
 町によっては字名のあるところもありますので、この例のようになることがあります。

A地番は、@の地番区域の中での土地の番号です。

B地目は、その土地の利用状況を示したものです。
 しかし、例えば農地法の許可を得て田を購入し、造成工事をしたものの、
 地目変更登記を申請していない段階では「田」のままになっていますので、
 必ずしも現況と登記簿の地目が一致するとは言えません。

C地積は、その地番の土地の面積を表しています。
 宅地や鉱泉地は小数点以下2ケタまで表示されますが、
 それ以外の土地で10平方メートル以上の土地であれば、
 小数点以下は切り捨てて表示されています。

D登記原因及びその日付は、
 その登記簿の用紙がどのような原因で作られたか、あるいは他の土地を合筆したか、
 地目変更登記がされた場合にいつの日付で現況が変わったのかを明らかにする欄です。

E登記の年月日は、Eに示された登記がいつされたものであるかを表示しています。

F所有者の住所氏名は、その土地や建物が誰の所有であるかを示しています。
 しかし、甲区の登記がされた場合には、朱色の線で抹消します。
 そして、Fの欄に記載された所有者の住所氏名の欄が朱抹されていない場合には
 その土地や建物の権利書は存在しないことになります。

次に、甲区ですが、甲区には所有権に関する事項が登記されます。
所有権の他、差押や仮処分など、所有権の行使を阻害する権利も同様に甲区に記載されます。

最後に、乙区です。
乙区には、甲区に登記すべき事項以外の権利に関する事項が登記されます。
抵当権・根抵当権・賃借権・地上権・地役権など、さまざまな権利の登記がされます。

区分建物については、これらの他に敷地権に関する登記のされる欄があります。
敷地権の登記のある区分建物については、
土地は建物に付属した権利として、専有部分の建物と一体として
所有権が移転したり、抵当権が設定されたりします。

 

現在、全国各地で登記簿のコンピュータ化が進められています。
大津地方法務局館内の9つの登記所の中で、
大津地方法務局登記部門・草津出張所・八日市出張所・水口支局で既に供用が開始されています。

大津地方法務局彦根支局では、平成15年1月下旬から一部の区域において不動産登記について
コンピュータ化が実施されます。


今後、全国のすべての登記所がコンピュータ化され、
登記情報提供システムによってオンラインによる
閲覧(事前の使用者登録と初期費用・使用料が必要)も可能になります。

当事務所では、このシステムを利用して、
遠隔地の登記情報取得を迅速に行う態勢を整えております。


ただし、登記簿の情報が不適切である場合など、
コンピュータ化になじまない登記簿は引き続き簿冊による閲覧がなされることとなります。

また、旧区分建物敷地のように、登記情報量が多すぎて
情報のダウンロードが不可能なものについては、
登記情報提供システムでは利用することができずに、
登記事項証明書の交付(登記情報交換システムによっては可能)によらざるを得ません。